ウェルプレートエディタは、マトリックス形式のビューで複数の実験にわたるデータを取得し、比較するために使用することができるUncountableの強力なツールです。ウェルプレートエディタの一般的な使用例には、生物学的アッセイ、生物発酵実験、塗料・コーティング業界における暴露パネルテストなどがあります。
ウェルプレートエディタには、新しい処方やテストサンプルの作成、対照実験の割り当て、アップローダーによる結果の取り込み、結果比較のためのクイックビジュアライゼーションなど、いくつかの機能が組み込まれています。
ウェルプレートエディタへのアクセス
ウェルプレートエディタには、2つの方法でアクセスできます。
Uncountableの担当者は、ダッシュボードページにウェルプレートエディタを表示できるようにすることができます。ボタンは、画面左側のナビゲーションバーと実験リストの間に表示されます。
また、クイック検索機能を使用してウェルプレートエディタにアクセスすることもできます。CTRL+K(Macの場合はCMD+K)をクリックしてクイック検索ツールを表示します。次に、検索バーに「ウェルプレート」と入力し、表示された結果から「ウェルプレートエディタ」を選択します。
ウェルプレートの新規作成
「ウェルプレートエディタ」を選択すると、ドロップダウンメニューから既存のウェルプレートを選択するか(a)、新しいプレートを作成する(b)ことができるページに移動します。
新しいプレートを作成する場合
- プレート名:プレートに名前を付けます。名前は自動生成されますが、編集可能です。
- プレートタイプ:使用するプレートのタイプを選択します。96ウェルプレート、384ウェルプレートなどいくつかのオプションがあります。
- デフォルトのワークフロー:ウェルプレートエディタで実験を設定する場合に使用する実験ワークフローとバリアントを選択します。
- フィールドの定義:プレートにリンクされた実験グループを作成するかどうかを選択します。このステップは任意であり、ほとんどの場合は空白のままで問題ありません。
4つのフィールドをすべて入力したら、[作成]ボタンをクリックします。
同じようなプレートの設定を何度も行う場合には、ウェルプレートテンプレートを作成することができます。テンプレートからプレートを作成するには、「テンプレートから」タブを選択します。
ウェルプレートの設定
この例では、上図のように、基本的な96ウェルプレートを設定しており、ワークフローは1ステップのみです。
[作成]ボタンをクリックすると、画面左側にウェルプレート図(a)、右側にValue Editor(b)とExperiment Selector(c)の2つのメニューがあるページが表示されます。これはウェルプレートエディタのデフォルトの表示ですが、ページ上部のグレーのツールバー(d)を使用して様々なメニューを表示または非表示にすることができます。
ウェルプレートに既存の実験を割り当てる
ウェルプレートを設定する方法は一般的に2つあります。既存の実験をウェルプレートに割り当てるか、ウェルプレートエディタで新しい実験を作成するかです。
既存の実験をウェルプレートに割り当てるには、Experiment Selectorメニュー(上図(c))を使用します。
最初に、どのように実験をウェルプレートに取り込むかを決める必要があります。Experiment Selectorメニューの上部のドロップダウンメニューには4つのオプションがあります。
- 実験の割り当て:このオプションは、単純に既存の実験をウェルに割り当てます。記録されたアウトプットや原料はすべて、その実験に直接書き込まれます。実験が複数のウェルに配置されている場合、記録されたアウトプットはすべて反復測定値として表示されます。
- 実験をコピー:このオプションは、ウェルに配置された実験のコピーを作成します。
- 実験をコンポーネントとして使用:このオプションは、ウェルに配置した実験がウェル内の原料の一つの成分であることを示します。これは、実験サンプルと(別のレシピで)調製したバッファーや染料をウェル内で組み合わせたい場合に便利です。
- テストサンプル:このオプションは、ウェルに配置した実験にテストサンプルを作成します。結果を明確に分離して異なるウェルプレートで実験を繰り返すことができるため、多くの場合最も推奨される方法です。このオプションを選択すると、特定のテストサンプルテンプレートを選択したり、インプットとアウトプットを指定することができます。さらに、テストサンプルの充填済みウェルの動作を指定することもできます。テストサンプルの詳細については、この記事を参照してください。
- テストサンプルの親として追加:このオプションは、ウェル内の実験に親を割り当てます。このオプションは、将来の分析で参照できる一つの実験を提供するため、ウェルプレートテンプレートで特に役立ちます。新しい実験は作成されませんが、テストサンプルと親実験の間に親子リンクが作成されます。
- ウェルを上書き:このオプションは、単に空のウェルにテストサンプルを作成するか、ウェル内の既存の値や実験を上書きします。配置した実験に対してテストサンプルが作成されます。前のオプションとは異なり、実験と新しいテストサンプル間の親子リンクに加えて、新しい実験が作成されます。
実験の追加方法を選択したら、プレートに追加する実験を選択できます。材料ファミリに数百の実験がある場合は、クイックフィルター(a)と追加フィルター(b)を使用して、実験を絞り込むことをお勧めします。
プレートに実験を追加するには、実験を配置したいウェルをハイライトし、3本線(c)を使って実験をハイライトセルにドラッグ&ドロップします。行または列全体を選択するには、その行または列のヘッダーをクリックします。
複数の実験を一度にプレートに追加するには、実験の横のチェックボックス(d)を選択し、「選択された実験の設定」メニューで、充填方向(左/右、上/下、ランダム)、開始ウェル、複製数、複製ウェルを照合するかどうかを決定することができます。[選択されたサンプルをプレートに追加]をクリックしてウェルを充填します。
ウェルプレートエディタでの処方作成
ウェルプレートエディタで直接、ゼロから処方を作成するオプションもあります。
まず、新しい実験でウェルを埋めます。新しい実験は、プレートを作成したときに選択したワークフローとバリアントを使用して作成されます。最初に、充填したいウェルをハイライトします。次に、ウェルプレートの上にある[X ウェル Selected]ボタンを選択します。最後に、ウェルを埋める方法を選択します。
・新しい実験でウェルを埋める(ウェルごとに1つ):このオプションは、ハイライトした各ウェルに固有の実験を作成します。
・新しい実験でウェルを埋める (ウェル間で共有):このオプションは、1つの実験を作成し、ハイライトしたウェルにその実験を配置します。
この例では、すべてのウェルに新しい実験を入れてみましょう。下図では、各ウェルが固有の実験を持っています。次に、右側のIngredient EditorとValue Editorメニューを使用して、ウェルにインプットを割り当てます。前述したように、これらのメニューはページ上部のグレーのツールバーから表示したり非表示にしたりできます。
Ingredient Editor
Ingredient Editorでは、特定の原料とその量を、選択したウェルに割り当てることができます。
- [+原料を追加]ボタンをクリックします。
- 原料のドロップダウンメニューから原料を選択します。これには中間処方も含まれます。例えば、バッファーの処方がUncountableにある場合、そのレシピを選択することができます。
- 初期量を指定します。ワークフローで指定されていない限り、この数量はグラムを単位とします。
- 割り当てタイプを選択します。
- 固定量:数量として一定値を割り当てます。
- 線形ステップ:指定されたステップサイズで各ウェルの量を調整します。例えば、初期量が1でステップサイズが2の場合、最初にハイライトされたウェルのその原料の値は1gになり、次のウェルは3g、その次は5gというようになります。
- 乗算:指定された乗数で各ウェルの量を調整します。例えば、初期量が1gで乗数が1/2の場合、最初にハイライトされたウェルのその原料の値は1gになり、次のウェルの値は0.5g、その次は0.25gというようになります。
- [選択したウェルを充填]をクリックして原料をウェルに追加します。
これらのオプションを使用することで、ウェルプレートエディタから直接、非常に柔軟に処方を設計できます。
Value Editor
Value Editorを使用すると、アウトプット、工程条件、特定の原料カテゴリの特定の値でウェルを更新できます。
「ウェル値に設定」ボタンを使用すると、ウェルプレートに追加した実験に既に保存されているアウトプット、工程条件、原料カテゴリ値が自動的に入力されます。この情報は多くの場合、プレート作成時に選択したワークフローやバリアントから得られます。
アウトプット:実験にアウトプットを追加したい場合は、最初のドロップダウンメニューでアウトプットを選択し、2番目のドロップダウンメニューで特定のアウトプットを選択し、3番目のドロップダウンメニューでそのアウトプットの条件パラメータを選択します。
ドロップダウンの下に2つのタブがあります。
・ウェルを編集:プレートマップを使用して、特定のウェルに値を入力できます。
・一括編集:すべてのウェルまたは選択したウェルに単一の値を入力できます。
工程条件:工程条件にも同じロジックが適用されます。追加したい工程条件を選択し、「ウェルを編集」または「一括編集」タブを使用して工程条件の値を指定します。
原料カテゴリ: ウェルに特定の原料カテゴリを入力し、各ウェルまたは全ウェルでそのカテゴリの原料を指定することができます。ドロップダウンの右側にあるチェックボックスを使用して値を指定することもできます。
結果のアップロード
実験のアウトプットページにあるアップローダーと同様に、ウェルプレートエディタでもアップローダーを使用し、光学密度や吸光度の測定値などの結果をアップロードできます。
アップローダーを使用するには、グレーのツールバーから「Upload Data」を選択します。
ファイルをドラッグ&ドロップするか、コンピュータを参照してウェルプレート装置からの生データファイルを検索するように求められます。ファイルの結果は、ウェルプレート内の実験に書き込まれます(行と列のヘッダーがあることが理想的です)。
アップローダーの設定については、Uncountableの担当者にお問い合わせください。
可視化
ウェルプレートエディタでは、実験、原料、アウトプット、対照などに基づいてウェルを可視化できます。これらの可視化は、プレートマップの上にあるドロップダウンメニューでコントロールできます。
上の例では、プライマリーアウトプットである光学密度によってウェルを色付けすることを指定しました。アップローダーを使用して入力したアウトプット値を使用して、ヒートマップタイプの可視化を作成できます。グレーのツールバーにあるウェル表示メニューを使用して、色を変更し、ウェルの表示方法をカスタマイズできます。
実験ごとにウェルを色分けすると、プレート上に固有の実験がいくつあるかがわかります。
原料ごとにウェルを色分けすると、各ウェルの原料の内訳が表示され、ワークフローステップごとに原料を分離するオプションが表示されます。
テンプレートの作成
一貫したプレート設定に従った実験を週に何度も行う場合、ウェルプレートテンプレートを設定すると非常に便利です。ウェルプレートテンプレートは、プレート上の実験間の関係を保持し、データ入力プロセスを簡素化し、そして最も重要なことに時間を節約します。
ウェルプレートテンプレートを設定するには、必要な対照実験とプレートレイアウトでウェルプレートを設定します。ポジティブコントロール、ネガティブコントロール、メタデータ(このアッセイを実施する際に一貫性のある情報)を含めると便利です。プレートを設定したら、[Plate Details]ボタンをクリックし、「Is Template」のチェックボックスを選択します。
これを行うと、プレートを作成する際に、「テンプレート」のドロップダウンにウェルプレートテンプレートが表示されます。